足場の組立て等特別教育とは?義務化の理由から助成金のもらい方まで徹底解説!

足場の組立て等特別教育とは?義務化の理由から助成金のもらい方まで徹底解説!

「足場の組立て等特別教育」は、労働災害を防ぐために義務付けられた安全教育ですが、「受講費用が負担になる…」と悩む事業者も多いでしょう。

そこで活用したいのが「助成金」です。助成金を申請すれば、受講費用や賃金の一部が補助され、コストを抑えながら法令遵守が可能になります。

この記事では、助成金の支給額や申請手続き、注意点まで詳しく解説します。助成金を賢く活用し、安全対策とコスト削減を両立させましょう!

 

1. 足場の組立て等特別教育とは?

1-1. 足場の組立て等特別教育とは?受講が義務化される理由

足場の組立て等特別教育は、足場の組立て、解体、変更作業に従事する労働者を対象とした安全教育です。労働安全衛生法第59条第3項に基づき、平成27年7月1日以降、これらの作業に従事する者は、所定の教育を受けることが義務付けられています

(労働安全衛生法第59条第3項)事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければならない。

もし、足場特別教育を受講せずに足場の組立て等の作業をした場合は罰則対象となり、労働安全衛生法第119条により「懲役6か月以下若しくは50万円以下の罰金」が科されます。

(労働安全衛生法第119条)次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。第五十九条第三項の規定に違反した者

これは、足場作業中の事故が多発していた背景から、労働災害を未然に防ぐために義務化されたものです。 

 

1-2. 受講対象者は? 

この特別教育の受講対象者は、足場の組立て、解体、変更作業に直接従事する労働者です。

具体的には、高所での足場作業に携わる全ての労働者が受講義務を負います

ただし、地上や堅固な床上での補助作業のみを行う者は対象外となります。 

 

1-3. 受講費用の相場は?

受講費用は実施機関や地域によって異なりますが、例えば、ある機関では受講料が9,650円、テキスト代が非会員で946円、会員で430円と設定されています。 

このような費用に対して、建設事業主を対象とした助成金制度が設けられています。

 

2. 助成金支給額と申請の流れ

足場の組立て等特別教育を受講する際、人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)を活用することで、経費や賃金の一部を補助してもらうことが可能です。ここでは、助成金の支給額、申請手続き、注意点について詳しく解説します。

 

2-1. 助成金の支給額はいくら?

人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)は主に「経費助成」と「賃金助成」の2種類があります。

  • 経費助成:受講料や出張講習等にかかった費用に対する助成です。
    • 雇用保険被保険者数が20人以下の中小建設事業主:対象経費の3/4が助成されます。
    • 雇用保険被保険者数が21人以上の中小建設事業主
      • 35歳未満の労働者:対象経費の7/10が助成されます。
      • 35歳以上の労働者:対象経費の9/20が助成されます。
    • ただし、1つの技能実習について、1人あたり10万円が限度となります。
  • 賃金助成:受講した労働者へ支払われる賃金に対する助成です。
    • 雇用保険被保険者数が20人以下の中小建設事業主:受講者1人につき8,550円×受講日数が助成されます。
    • 雇用保険被保険者数が21人以上の中小建設事業主:受講者1人につき7,600円×受講日数が助成されます。
    • ただし、通学制で1日3時間以上の受講をした日の受講日数で、20日分までが上限です。

これらの助成金を活用することで、受講費用や賃金の負担を大幅に軽減することが可能です。

 

2-2. 人材開発支援助成金の申請のステップ

助成金の申請手続きは以下の流れで行われます。

  1. 研修計画の策定:実施する訓練の内容や期間、対象者を明確にします。
  2. 計画届の提出:所定の申請書類を作成し、管轄の労働局に計画届を提出します。
  3. 訓練の実施:計画に沿って訓練を実施します。
  4. 支給申請書の提出:訓練終了後、実施内容を報告し、助成金の支給を申請します。

必要書類や詳細な手続きについては、厚生労働省の公式サイトや所轄の労働局で確認してください。

 

2-3. 人材開発支援助成金の申請時の注意点

申請時の注意点として、以下が挙げられます:

  • 申請期限の厳守:提出期限までに申請がない場合、助成金は受給できません。  
  • 必要書類の確認:申請書類に不備があると、審査が遅れる原因となります。事前に必要書類を確認し、正確に記入しましょう。
  • 計画届の提出タイミング:計画届は訓練開始前に提出する必要があります。提出期限を守り、余裕を持って手続きを進めましょう。

これらのポイントを押さえることで、スムーズな申請と助成金の受給が可能となります。

 

3. まとめ

足場の組立て等特別教育と助成金活用の重要なポイントは以下の通りです。

重要なポイント

  • 足場の組立て等特別教育は義務化
    • 労働安全衛生法に基づき、受講が義務付けられている。
    • 受講しない場合、懲役6か月以下または50万円以下の罰則が適用される。
  • 受講対象者
    • 足場の組立て、解体、変更作業に従事する労働者。
    • 地上や堅固な床上での補助作業のみを行う者は対象外。
  • 受講費用の相場
    • 受講料は約9,650円、テキスト代は数百円程度。
    • 費用は実施機関や地域によって異なる。
  • 人材開発支援助成金の活用
    • 経費助成:受講料の3/4または7/10(35歳未満)などが助成。
    • 賃金助成:1人あたり7,600円~9,405円/日が助成。
  • 助成金申請のステップ
    1. 研修計画の策定。
    2. 計画届の提出(訓練開始前)。
    3. 訓練の実施。
    4. 支給申請書の提出(訓練終了後)。
  • 申請時の注意点
    • 申請期限を厳守すること。
    • 必要書類を正確に作成し、不備がないよう確認する。
    • 計画届は訓練開始前に提出する必要がある。

今後、足場の組立て等特別教育を受講予定の方は、助成金制度を上手に活用し、安全で効率的な作業環境を整えましょう。

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